福井城は、茨木川東岸、福井地区北方に位置し、北方にそびえる支脈の突端の
台地上に築かれた一種の山城（丘）と考えられる。
遺跡は、現在すべて田圃になっているが、土地の高低と堀（溝）の遺構、そして今に残る
小字名本丸城ヶ谷・構え等からおおむねその概要を知る事ができる。

『東摂城址図誌』に詳しく輪郭式の城郭であったことの説明がなされている。
即ち北には山が迫り、南は西国街道から泉原を経て余野に向かう旧街道で区切られ
東西はいずれも川によって仕切られた一画である。

北を搦手（旧字搦手跡）南に大手（旧字大手跡）と開き、城としての基本的構造をもつものである。
中心部本丸跡と推定される『本丸』の地は、その下の『城ヶ谷』（三の丸）との
比高約5ｍに達す高台になっている。
南北約50ｍ・東西約40ｍの隅丸形の田地で、東・南・西面は崖となっており、東側『城ヶ谷』に
なった台地があり、ここが『城の内』と称する小字で『二の丸』の地と推定される。

南北約70ｍ・東西90ｍのＬ字型の田地である。さらにその南一帯の『城の内』より
1ｍばかり低く存在する略方形形の田地は小字『城の畑』で『三の丸』に相当するであろう。
そしてその南端が小字『大手跡』で、その附近が大手口となっていたことが推測できる。
なお西方・小字『西堀』を隔てた一帯に小字『出張』の名を残しており、城域の一部と思われる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　茨木市教育委員会発行　わがまち茨木・城郭編より

福井城墟　本村ノ北方ニアリ東西１丁余り回字形ヲナス石壁ノ跡土壇ノ形今猶存ス
建武１年楠木正成此城ヲ築キ西国街道丹波街道ノ要衛ナルヲ以テ守護代ヲ置ク
応安７年以来１５３年ノ間細川氏代々守護代ヲ置ク『大栄７年丁末２月ニ至リ細川氏家臣
三宅筑前守長元ノタメ落城ス』今大石ー基アリ里人呼ンデ城ノ石トイフ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　明治４４年中秋　山本九皐

福井城　建武１年（1334）楠正成の築きしものにて守護代を置き守らしめしと伝る
後応安７年（1374）頼国当国守護となるや又守護代をこの城に置く。
大永７年（1527）２月細川高国の代三好長元に陥らる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　太田亮著

天正元年（1573）　～　天正三年の三年間　　　　　荒木村重

天正四年（1576）　～　天正十二年の九年間　　　　中川清秀

天正十三年（1585）　～　慶長元年の十二年間　　川尻肥前守

慶長二年（1597）　～　慶長十九年の十八年間　　片桐且元

元和元年（1615）　～　元和三年の二年間　　　　　天領　代官成瀬五左衛門・五味備前守

元和三年（1617）　～　元和七年の五年間　　　　　土岐山城守定義（高槻城主）

元和八年（1622）　～　寛永九年の十一年間　　　　天領　代官間宮三郎右衛門

寛永十年（1633）　～　寛永十六年の七年間　　　　岡部美濃守宣勝（高槻城主）

寛永十七年（1640）～慶安元の九年間　　　　　　　　松平若狭康信（高槻城主）

慶安二年（1649）　～　明治三年（1870）　　　　　　長井日向守直清　～　日向守直諒

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　茨木・福井の歴史より　　　　　

大阪で忘年会を済ませ、夕方京都の忘年会に参席するのに２時間程の空きがあるのでその間に茨木市の福井城に寄った。
名神高速道を茨木インターで降り、国道１７１号線に出る。右が京都方面、左が箕面から西宮方面。
その国道１７１号線を西宮方面の左にとり、追い越し車線を走る。信号二つ目のゆるやかな左カーブの交差点を直進する。

車で走る事１０分、上福井バス停の右側に福井城碑と案内版がある。バス停の脇に車を停め、写真を撮っていると
一人の男性（小田様）が地域の掲示板に案内書を貼りに来られ、声をかけて頂いた。１０年程前に本丸で発掘調査が行なわれたが

成果は、それほどでもなかったらしい。お話の中で、地元の大垣誠三さんが福井の歴史なる本を、自費出版して各家に配ったと
言われ、その貴重な本を役だてて下さいと、小田九一様から頂いた。小田九一様、本当にありがとうございました。
本の一部ですが、掲載させて頂きました、のち、３９６ページ全部に目を通し、福井の古代～現代までの資料を掲載させてもらいます。