矢掛宿

岡山県小田郡矢掛町

旧山陽道十八番目の宿場

矢掛町は参勤交代の頃、旧山陽道の第十八番目の宿場町として栄え
産業・交通・文化の中心地として発展しました。
矢掛宿には、全国唯一の本陣『石井家)・脇本陣『高草家)が、
共に国指定重要文化財として旧姿を残している。
また、本陣・脇本陣を取りまく町並みも幕末から明治にかけて建てられた。
妻入り・平入り造りの町屋が立ち並び、白壁・鬼瓦・虫籠窓・なまこ壁などが
建築美をかもし出している。

本陣(石井家)は、北向きの屋敷で間口20間(36m)広さ約1000坪この町第一の規模である。
本陣屋敷は、御成門を前に玄関・上段の間を備えた威儀正しい構えである。
大名が出入りした御成門を入ると本陣屋敷の玄関がある。
玄関より帳場・広場・三の間・二の間・次の間(御次席)と続き、一段高い部屋が上段の間で
大名や公喞の休泊したところである。
上段の間は、8畳に床と違い棚がつき、茶室風の形式を取り入れたやわらかい雰囲気の
書院造りで、桃山末期の欄間には『ブドウとリス』が彫られ、障子は二本・三本の交互のタテ格子で
構成され、品位の高い優雅な感じを与えている。この間から畳雪隠(引き出し風)などがあり
昔のまま保存されている。

本陣屋敷の瓦には、『元和申年新建の家、元禄15年唐破風を添』と銘があり、以後正徳年間(1710年代)
に再建と伝えられている。
本陣の母屋は、入母屋造りの本瓦葺である。縄のれんをくぐると広い土間になっていて間取りは複雑である。
土間にある大きな土公神様(カマドの神様)、屋根裏の壮大な木組、壁など、民家の美しさを満喫ことができる。
裏にまわると、酒造関係の建物、米倉、酒倉、絞り場、麹室などが棟を並べ、裏口には裏門座敷長屋が見える。
この長屋は、宝永3年(1706)備中・森家の西江原陣屋『井原市』から移築した由緒あるものである。

この長屋の老朽にともない、昭和47年に解体刑部左衛門秀勝で、その三子喜元が元和6年(1620)に
古市より移転したと伝えられている。
1687年代、石井治郎右衛門のころ、大庄屋役を勤め『佐渡屋』と号し、酒造りも行なって、
近世初期以来矢掛筆頭の豪商であったことがしのばれる。
宿泊大名は、年平均14家、西中国(萩・石見・安芸)、九州(唐津・肥前・筑前・筑後・薩摩)大名で
行列の総数500〜600名で構成され、本陣を中心として町全体に宿泊した。
今なおその当時の宿札が多く残されている。長屋以外は昭和61年から平成3年の5年間
約5億6千万円を投じて解体修復をし、その優姿を表した。
                                 
本陣・石井家のパンフッレトより

本陣・石井家

本陣・石井家の由来書

石井家の裏庭

矢掛宿の道標

訪問日 平成十九年(2007)五月三日 作成日平成十九年(2007)五月十八日

福山城より備中松山城に行く途中に寄った。この宿場の家並みがすごい!
まず、本陣・石井家に入る。団体さんにまぎれて説明を聞く。
裏庭では酒造設備の大きな釜にビックリ!。絞り場の柱は麹が全面を覆い、
はじめて見る光景に連続シャッター!
石井家を出て、周辺を散策して次の目的地、備中松山城に向かう。

石井家 入館料・大人400円   駐 車 場     無  料

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