日本城巡り

奈良街道・暗峠

奈良県・平城京・三条通り 〜 大阪・高麗橋 八里八町(約34km)


奈良と大阪を結ぶ街道は、奈良から大阪に向かえば大阪街道。

大阪から奈良に向かえば奈良街道と呼ばれた。

この街道の最高所が生駒山脈中に位置する『暗峠』である。

暗峠という地名の由来には、樹木が生い茂って昼でも暗い峠だから

という説。道が険しいので旅人が鞍替えしたことから

『鞍替え』が『くらがえ』に転じたという説など諸説ある。

有力な説としては、享和元年(1801)の『河内名所図会』に

『生駒の山脈続き小椋山という、故に椋ヶ嶺の名あり』とある。

暗峠越えの奈良街道は、大阪の高麗橋から玉造・枚岡を経て

暗峠を越えて奈良の平城京の三条大路『現在の三条通り』に至る

八里八町(約34km)の道である。暗峠から三条大路まで

真直ぐ東西に一直線になっており奈良と大阪を結ぶ最短経路である。

江戸時代には、参詣路や商業路としてにぎわい、伊勢神宮の詣でに

やってきた旅人が休息をとれるよう、峠上の狭い街道の両側に

茶屋や旅籠も発達した。峠付近は雨が降るとすべりやすいため、

大坂城への参勤に利用していた大和郡山藩によって石が敷き詰められた。

松尾芭蕉も元禄七年(1694)奈良から大坂に向かう途中、暗峠で

『菊の香にくらがりのぼる節句かな』という句を詠んだ。

この句を刻んだ句碑は、かっては暗峠にあったが、現在では

奈良県生駒市の法照寺に移されている。なお、この旅は芭蕉にとって

生涯最後の旅となった。彼は、この暗峠を越えて訪れた大坂で

51歳の生涯を終えている。


通行手形 平成十七年(2005・04・28)発行  作成日2005・05・17  編集日2006・06・24

枚岡神社から枚岡公園を通って椋ヶ根橋への標識に従い橋を渡る。坂道を登り、少し行くと国道308号線に出る。

国道308号線を奈良に向かって歩くと『歴史の道 暗峠なら街道』の石碑がある。


この国道308号線が奈良街道なのだ。暗峠まで約1時間楽しみながら歩く途中、芭蕉の句碑を見つけた。

芭蕉とは逆のコースを歩き豊浦橋を渡り禊行場と記された大きな石碑が見えてくる。街道は急な登り坂になり

弘法の水が涌く太子堂に着く。太子堂を過ぎると街道の雰囲気を残す石畳の道にさしかかる。

これから暗峠で、大阪『枚岡』と奈良『生駒市』の国境で日本の道百選の碑が立っている。

峠の茶屋『すえひろ』で抹茶セットを頂き先を急ぐ。峠を越し田園の展望がひらけテラスカフェ『峠』でコーヒーを飲み

400年前の街道の雰囲気から、タイムカプセルで現在に引き戻された瞬間だった。

通行手形 平成十八(2006)年十一月十二日 発行 作成日2006・11・12 編集日2006・11・12

早朝から奈良街道を目指し国道168号線に乗る。天川沿いで奈良に向かい、南生駒から暗峠を目指す。

国道168号線から国道308号線に切りかえる時、大型車進入禁止。これは国道とは言えないほど狭い道だ。

少し走ると、さらに、ロングボデー車通行不可!。対向車とのすれ違いは無理。だが、国道308号の標識がある。

所々に対向車とのすれ違い場所を設けてあり、対向車があればそこで待機する。何と言う国道だろう。

路面はコンクリートの滑り止め付。そのコンクリートがボロボロのツギハギだらけで走りにくい。

だが、昔の雰囲気が残り、歩くのには情緒あふれる街道だ。国道168号線から分かれて、何ヶ所か広くなっている

ところがあったが、直ぐに幅4m前後の道幅になる。4〜5kmほど走ると、三叉路を左折して、5kmほどで暗峠に着く。

道路をくぐると、石畳が見え左側に峠のテラスがある。100mほどの石畳があり、江戸時代の雰囲気を感じる。

奈良街道

大坂街道

奈良街道のコンクリートの道

暗峠と南生駒駅との分岐点

暗峠の石畳

奈良街道

通行手形 平成十九年(2007)七月八日発行  作成日 平成十九年七月八日

枚岡神社にお参りし、暗峠に向けて移動する。 何度通っても国道とは思えない国道308号線。

枚岡から最初の急坂を一気に駆け上がる!。と言っても路地裏のように曲がりくねった道は

容易にスピードを上げれない。今回は車で峠まで攻めたいが、日曜日は車の交通量が多い。

芭蕉の碑を確認し、坂道の途中対向車とのすれ違いに、対向車の運転手さんが、『本当に国道ですよね!』

と聞かれた。ナンバーを見れば、岡山ナンバー。国道と書いてあるので奈良から大阪に向かったが

道を間違えたと思ったらしい。『あと少しで広い道に出ますよ』と言ったら、安心したように坂道をブレーキランプ

を点灯したままずり落ちるように去っていった。

岡山ナンバーの車

2人並べば道幅いっぱいになる

大坂街道

奈良街道

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